マイナンバーカード紐づけ口座(公金受取口座)を活用した現金給付の課題

市民一人当たり1万円を給付する方法についての検討課題についてお知らせします。
小野泰輔 2026.05.05
誰でも

政府の物価高騰重点支援給付金を利用して、市民1名に対し1万円を給付することを決定しましたが、当初これをマイナンバーカードの紐づけ口座(公金受取口座)に振り込む形で行えないか検討しました。

しかしながら、次の2つの理由で課題があると判断し、お一人おひとりの振込口座を指定していただく手続きを経て行うこととしました。

1.公金受取口座活用までの手続きが煩雑であること

2.マイナンバーカードの保有率および公金受取口座登録率が低いこと

以下、順に詳細を述べます。

1.公金受取口座活用までの国との間の手続きが煩雑であること

(1)自治体による給付で公金受取口座を利用するには国による個別指定の事務手続きが必要であること

 国が「特定公的給付」に包括指定している事業以外について、地方自治体が独自に公金受取口座を活用して給付を行う際には、個別指定の事務手続きを行う必要があります。

 ちなみに、特定公的給付に包括指定された給付事業の例を挙げると、「令和6年度物価高騰対策給付金」や「令和7年度物価高騰対応子育て応援手当」など、国が国民に対して一律に給付する事業となっています。

(2)公金受取口座を利用する意思表示を市民一人ひとりが行う必要があること

 給付金の支給先として公金受取口座を利用する場合には、市民がその旨の意思表示を行う必要があります。

 市民に対して給付金の申請書を送付し、「公金受取口座を利用する」か、「他の振込口座を指定する」かを選んでいただく形となるため、結果としてプッシュ型になりません。また、初めから振込口座を指定していただく場合よりもフローが一つ多くなり、煩雑となります。

(3)国に対して公金受取口座情報を照会し取得する必要があること

 公金受取口座への振り込みを行うとなった場合には、デジタル庁の情報提供ネットワークシステムを経由して照会を行い、口座登録情報・連携システムから公金受取口座情報を取得する必要があります。

以上のような手続きを経て初めて公金受取口座への振り込みを行うことができますが、最初から希望する口座を指定していただくほうが簡便ではないかという結論に達しました。

2.マイナンバーカードの保有率および公金受取口座登録率が低いこと

(1)八代市民のマイナンバーカード保有率(令和7年12月末現在)

 保有率:79.93%

 保有枚数:95,939枚

(2)全国の公金受取口座登録率(令和7年12月末現在)…63.0%

 ※マイナンバーカード保有者のうち、公金受取口座を登録している人の割合

 ※自治体ごとの登録率は公表されていない

 上記(1)と(2)から、八代市民のうち公金受取口座を登録している方の割合は、50.4%程度と類推されます。将来的に、1の手続き(公金受取口座活用までの国との間の手続き)が不要になったとしても、一定程度の方には口座確認が必要となります。

説明は以上のとおりですが、今後も経済対策を自治体に任せることが続くことも予想されますので、マイナンバーカードの公金受取口座の利用を自治体に容易に可能とするとともに、公金受取口座の紐づけを義務化することが必要ではないかと思います。いつまでもアナログでやっていては毎回膨大な事務作業と委託手数料が発生し続けます。

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